うぐいすの声が聞こえる「栗東なかよし作業所」

2021.4.4

4月1日、最後の訪問先は滋賀県栗東市にある「栗東なかよし作業所」。
コロナ、コロナで散々だった日々は引き続き続いていますが、一年以上も乗り切った!そして今日からもう4月です。
 
車でどんどん山奥に入り、うぐいすの歌声だけが響いてくる頃作業所に辿り着きます。
気持ちのいい春風が車内を通りぬけ、山々の木々の色は、一面春色に染まっていました。
薄いピンクや淡い緑、サラサラと音を立てて風になびく竹林は、地元北海道では見たこともない景色です。
 
ここでは88歳になる池谷先生が登窯と作家さん達の創作活動の場を守っています。
池谷先生はメールなどはしないので、いつも山下先生が付き添いで同行してくれます。
この日は生憎作家さん達がいない日だった為、創作の様子を載せることは出来ませんでしたが、
夏の暑い日も、冬の寒い日も、池谷先生が何十年も彼等に寄り添い続けたこの場所は、
池谷先生が居なくなったらどうなってしまうのだろうと心配です。
 
初めておとづれた時から気になっていたお地蔵さんは、何年か前に45歳でこの世を去った女性の為に皆でつくったそうです。
この場所に魅せられて、ことあるごとに色々な人を連れて来ていたその女性は、生前から「私、お地蔵さんになりたいの。」
と言っていたそうです。
 
池谷先生はいつも色々なことを私たちに教えてくれます。
 
人の優しさや自然の大切さ。人間が本来持っているものを失わない様に。
数年前、姉に無理やり連れてこられたこの場所は、私をいつも原点に立ち帰らせてくれる、そんな大切な場所になりました。
 
ということで、映像作家の逢坂さんと、姉と私の三人の珍道中は終わりました。逢坂さんの運転はとてもジェントルで、
姉の荒い運転とは大違いでした。
 
今回出会った沢山の人たちの笑顔や満開の桜を胸に、またそれぞれ東京での忙しい日々が始まります。
 
2021/4/1